GCIB(Arクラスター)を用いた有機材料劣化成分の深さ方向分析(C0241)
雰囲気制御下でのGCIBを用いた有機EL層構造および劣化層の成分評価
概要
大気暴露することで劣化が生じる有機材料について、GCIB(Arクラスター)を用いて劣化成分を深さ方向に分析した事例を紹介します。実験には有機EL原料のルブレンを用いました。大気暴露したサンプルをTOF-SIMSで測定をした結果、ルブレンペルオキシドと推定される質量(m/z 564)や、低分子のベンゼン系の質量(m/z 77,105)が検出されました。これらの劣化に起因する成分は、表面から約1μm以上の深さにわたって存在していることを確認しました。※GCIB:Gas Cluster Ion Beam
データ
データ例
図1に原料の構造式、図2に劣化成分の推定構造式を示します。大気暴露なしの有機膜と、大気暴露4時間の有機膜の定性スペクトルを図3に示します。図4に大気暴露4時間の有機膜の深さ方向分析結果を示します。GCIB(Arクラスター)を用いることにより、有機分子の骨格を保ったまま深さ方向の分布評価ができております。