リチウムイオン二次電池負極の劣化評価(C0193)
電池セルの作製・劣化試験・解体・劣化による状態変化の調査
概要
正極にLiCoO2、負極にグラファイト、電解液にLiPF6/EC:DECを用いて作製した電池セルを60℃の恒温槽にて4.2V充電状態で約1週間放置する劣化試験を行いました。その後、Ar雰囲気中で解体・洗浄し、負極グラファイトのTOF-SIMS分析を行いました。
試験前ではバインダおよび電解質塩由来のフラグメントが確認され、試験後では電解質塩の劣化により生成したと考えられるLi3PO4やPF3OおよびLi2CO3由来のフラグメントが確認されました。また、Coが検出されたことから、正極活物質溶出の可能性が示唆されます。
データ
注;試験後において、◆LiF系のイメージが観察されておりますが、◆六フッ化リン酸リチウムが弱いことより、劣化成分であるフッ化リチウムに起因するものと考えられます。