リチウムイオン二次電池 セパレータの評価(C0273)
サンプル冷却でセパレータ断面形状を正確に評価
概要
電池の主要構成材料であるセパレータは、この材料の多孔性・形状等が電池の特性・安全性を左右します。現在主流のポリエチレ(PE)、ポリプロピレン(PP)、あるいはその複合材料等高分子系材料は軟化点が低くPEでは125℃程度、PPでは155℃程度となります。軟化点の低いPP製のセパレータ構造観察において、断面加工時に冷却を行って変質を抑えて評価した事例をご紹介します。
データ
IP(イオン研磨)法は数百μm程度の広域の断面加工が可能であり、その後のSEM観察により材料の構造を観察することが出来ますが、IP加工時に発生する熱の影響が大きく耐熱性の低い材料の場合は、加工時に収縮、溶解等が起き材料が大きく変質します。
図1は、PP製のセパレータを冷却IP加工で断面を加工し、SEMで形状を観察した結果ですが、微多孔質の構造を確認することが出来ました。このようにサンプルを冷却することで材料を劣化させることなく評価することができます。