カールフィッシャー電量滴定法における試料導入方法(B0242)
カールフィッシャー滴定法
概要
カールフィッシャー電量滴定法は水分量を評価する方法であり、試料の性状に応じて装置への導入方法が異なります。ここでは電量滴定する際の二つの試料導入方法を紹介します。
試料導入法① 「直接導入法」
特徴 |
主に液体試料のための導入法です。
液体試料をシリンジで量り取り、電解セルに直接導入します。 |
測定範囲 |
数ppm~数%
定量下限値:5μg |
必要試料量 |
最低5mL程度 |
測定のポイント
試料の組成(SDS等)をご開示頂ければ、カールフィッシャー試薬と試料との妨害反応の有無を判断し、より正確な測定が可能になります。
分析事例
ゼオライトで脱水前後のメタノール中の水分量測定
試薬中の微量な水分量の評価を行うことが可能です。
試料導入法② 「加熱気化法」
特徴 |
主に固体試料のための導入法です。
試料をバイアル内に密封し、加熱炉内で加熱します。この際に生じた水蒸気を電解セルに導入します。
バイアル内空気中の水分を考慮するため、Blank測定値を差し引き、試料の水分量を求めます。 |
測定範囲 |
数ppm~数%
定量下限値:30μg |
測定可能サイズ |
直径13mmφ、高さ15mm以内 |
測定のポイント
加熱温度と検出水分の関係
試料によっては、高温において熱分解による水を生じます。
サンプル本来の含有水分量を測定するためには、最適温度での加熱が必要です。
分析事例
各種プラスチックの水分量測定(180℃加熱)
各種プラスチック中の水分量の評価が可能です。
MST技術資料No. | B0242 |
掲載日 | 2018/03/15 |
測定法・加工法 | カールフィッシャー滴定法
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製品分野 | 二次電池 医薬品 化粧品 日用品 食品
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分析目的 | 微量濃度評価
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