表面酸化膜のある異物の状態評価(C0420)
水酸化アルミニウムAl(OH)3と酸化アルミニウムAl2O3の評価が可能です
概要
金属の異物を定性評価したい場合、最表面のみを分析すると異物表面に存在する酸化膜の情報となってしまうため、異物そのものの情報が得られないことがあります。
TOF-SIMSにより深さ方向に分析を行うことで、酸化膜より深い位置にある異物そのものの組成・状態評価が可能です。
本資料では、Al系の異物と思われる3箇所の状態を評価した事例をご紹介します。
データ
異物のイメージ結果(500μm角)
(1)~(3)をTOF-SIMSによる深さ方向分析を行いました。
その結果、以下の状態であることがわかりました。
- (1) … Al(OH)3
- (2) … Al2O3
- (3) … Al
異物(1)の定性分析結果例
異物(1)とAlの標準スペクトルを並べた結果を以下に例として示します。
異物(1)はAl(OH)3とスペクトルパターンが一致していることがわかります。
分子情報の深さ方向分析の参考出典;Harumi Masudome et.al.,Surf.InterfaceAnal.2011,43,664-668