銅(Cu)の酸化膜厚評価 保管環境による違い(C0372)
TOF-SIMSで無機物の分子情報を深さ方向に捉えることが可能
概要
配線材料として用いられる銅(Cu)は空気中で酸化膜を生じますが、保管環境の違いによる膜厚の差を評価した事例をご紹介します。アルミホイルで包んだ銅(Cu)と、ビニール袋に入れた銅(Cu)をそれぞれ40日間保管し、TOF-SIMSにて酸化膜厚の測定を行いました。また、約20日間にわたる継続した調査により、再現性が得られていることを確認しました。
TOF-SIMSは酸化物や金属など無機物の深さ方向分析が可能です。
データ
データ1
アルミホイルによる保管はビニール袋での保管に比べ、銅(Cu)酸化膜厚が厚くなっていることがわかります。
データ2
約20日にわたり膜厚評価の再現性を調査した結果(図2)、膜厚の再現性が得られていることがわかります。
分子情報の深さ方向分析の参考出典;Harumi Masudome et.al.,Surf.InterfaceAnal.2011,43,664-668