LDI-MSとMALDI-MSの違いについて
概要
LDI(レーザー脱離イオン化法)とは、紫外レーザーのエネルギーのみを利用して分子を昇華・イオン化させる方法です。一方のMALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)はマトリックスと混合した試料に紫外レーザーを当てることで分子を昇華・イオン化させる方法です。

特徴
LDI-MSは、MALDI-MSと異なり、マトリックスを使用しないことから、下記のメリットが挙げられます。
①マトリックスの検討が不要
②マトリックスによる低質量側の妨害をうけない
これらのメリットからLDI-MSは低分子化合物を評価しやすいため、有機EL材料などの多環芳香族系や、フッ素系オイルなどの材料分野の評価に利用されています。
表LDI-MSとMALDI-MSの違い
| LDI-MS | MALDI-MS | |
| イオン化の分類 | ハードイオン化法 (フラグメンテーションしやすい) | ソフトイオン化法 (分子イオンのまま評価) |
| 主な測定対象 | 低分子有機化合物 | 低分子~高分子有機化合物 (マトリックスの妨害あり) |
| 生体試料イメージング | △ (イオン化する成分に制限あり) | ○ (タンパク質や脂質の評価が可能) |
| 材料イメージング | ○ (マトリックス検討が不要) | △ (マトリックス検討が必要) |
| 検出深さ (イメージング測定時) | 100nm~1μm程度 (レーザー強度や照射回数に依存) | 数μm程度 (溶媒が浸透する試料深さに依存) |
| 適用例 | フッ素系オイル 多環芳香族系(有機EL等) シランカップリング剤 | タンパク質 脂質 成高分子(ポリマー) |