ポリカーボネート表面の劣化評価(C0356)
TOF-SIMSを用いた樹脂表面の劣化による構造解析
概要
ポリカーボネート(PC)は熱可塑性プラスチックの一種であり、優れた透明性・耐衝撃性・耐熱性などの特長があります。加水分解によって劣化が進み原材料のビスフェノールA(BPA)が生成されることが報告されており、特に太陽電池パネルでは、UV(紫外線)照射によって試料表面がどのように変化するかを把握することが重要です。
以下にUV照射によるPC表面の劣化度合いをTOF-SIMSを用いて評価した事例をご紹介します。
データ
劣化のモデル
劣化条件
大気中でUV照射を行っております。なお、オゾンの影響もあると考えられます。
温度:室温(26℃)
波長:254nm
照度:5mW/cm2
照射時間:1分間
測定結果
最表面の結果を図1に示します。UV処理した試料ではPCが分解されてBPAが強く検出されました。
このようにTOF-SIMSで表面有機分子の構造を調べることで、劣化度合いの評価が可能です。
ポリカーボネート劣化層の膜厚評価(C0368)は
こちらからご覧ください。