目的に応じた分析条件で測定します
概要
SIMS分析では目的に合わせて最適な分析モードを選択することで、より厳密な評価が可能です。
GaN系LED構造のドーパント元素であるMgやSiの深さ方向濃度分布を複数の分析モードで評価した事例をご紹介します。
データ
図1の構造を持つ市販のGaN系LED構造について、下記の(a)~(d)の
4条件にてそれぞれSIMS測定を行った結果を図2に示します。
(a) MgとSiを同時取得した条件
(b) 表面から活性層までの領域に着目した条件
(c) H,C,O,Siなどの複数元素を同時取得した条件
(d) Siの感度を重視した条件


(a) ドーパントMg,Si を同時評価

(b) 表面から活性層までの領域に着目
図2 SIMS分析で得られたデプスプロファイル
図2(a)ではMgとSiの分布を同時に評価し、素子全体のドーパントの分布を把握できます。Mgを感度良く検出できる条件のため、ppbオーダーで活性層までMgが拡散していることが評価できます。
図2(b)ではGaN/AlGaNなどの異種材料によるマトリックス効果の影響を低減し、各界面近傍のMgや活性層中のInの分布を分解能良く評価可能です。さらに、p型化に重要なMgとHを同時取得することもできます。

(c) H,C,O,Si同時取得

(d) Siの感度を重視
図2 SIMS分析で得られたデプスプロファイル
図2(c)ではSiとあわせて大気成分であるH,C,Oなどの複数元素を同時に測定することが可能です。SiについてはSi+N(主成分)で検出しているため、n-GaN層以外の領域におけるSiの分布には注意が必要です。
図2(d)では高質量分解能測定により、感度の高いSi単体を検出することができるため、図2(c)と比較してより低濃度のレベルまで評価することが可能です。
| 特徴 | 質量干渉 | 深さ方向 分解能 | 低濃度まで 評価可能 | |
|---|---|---|---|---|
| (a) | Mg,Si を同時取得 | なし | ○ | Mg○ |
| (b) | 表面から活性層までの 領域に着目 | あり | ◎ | △ |
| (c) | H,C,O,Siを同時取得 | あり | ○ | △ |
| (d) | Siの感度を重視 | なし | ○ | Si○ |