絶対PL量子収率測定

装置外観

絶対PL量子収率測定の
分析事例はこちらからご覧ください。

特徴

絶対PL量子収率測定は、材料に吸収された光(エネルギー)に対し、どのくらいの効率で発光が得られるか、つまり材料の発光効率を求める手法です。
MSTでは溶液サンプルや薄膜サンプルに対応しており、様々な発光材料の絶対PL量子収率を測定することが可能です。

  • 分光器付きの励起光源を用いているため、様々な波長(約350~800nm)での励起が可能

MSTの特徴

  • 装置を雰囲気制御下で管理し、薄膜サンプルについては酸素の影響を受けずに測定することも可能

適用例

  • 溶液サンプルの絶対PL量子収率測定
  • 薄膜サンプルの絶対PL量子収率測定

原理

物質に光(紫外・可視光)を照射すると、物質はそのエネルギーを吸収し発光することがあります(フォトルミネッセンス(PL))。
光の吸収により、安定なエネルギー状態(基底状態)にあった分子内の電子は、一時的に高いエネルギー状態へと励起されます。様々な過程を経て一重項励起状態に存在する電子が安定な基底状態に戻るとき、差分のエネルギーを光として放出し、これを蛍光と呼びます。さらに三重項励起状態に遷移した電子が基底状態に戻る際に放出される光をりん光と呼びます。(図1)

ヤブロンスキー図

この発光は物質固有の重要な物性の一つです。発光量子収率とは、吸収された光(エネルギー)に対し、どのくらいの効率で発光が得られるかを示す値です。サンプルに吸収された光子数と発光の光子数を測定することで、発光量子収率を算出します。

データ例

サンプルに吸収された光子数と発光の光子数を測定することで、発光量子収率を算出します。

発光量子収率

量子収率測定結果

アントラセンを測定した際の発光スペクトルと絶対量子収率を示します。

測定結果

データ形式

  • PDFファイル
  • エクセルファイル等

仕様

測定可能形態 測定可能形態 液体、薄膜、粉体
測定可能サイズ 液体の場合、10mL程度  粉体の場合、0.5g程度
薄膜の場合 10mm角程度

必要情報

  1. 分析目的/測定内容
  2. 試料に関する基本情報
    (1)試料数
    (2)試料種(溶液、薄膜、粉体)
    (3)溶媒、基板の種類など
    (4)ご希望の励起波長範囲、前処理方法(溶媒の種類等)
    (5)注意事項
  3. その他(安全性など)

注意点

  • 予備試料が必要な場合があります。
  • 粉体試料の場合は溶媒に溶かす必要があります。
  • 懸濁物質を含む溶液や多層構造の薄膜の場合、評価不可となる場合があります。
  • 基板上に成膜された薄膜の絶対PL量子収率測定を行う場合は、リファレンス(基板のみ)が必要で す。

絶対PL量子収率測定の分析事例はこちらからご覧ください。

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