[AFM-MA・AFM-DMA]機械特性評価(弾性率測定・動的粘弾性率測定)

装置外観

AFM-MAおよびAFM-DMAは
AFM(原子間力顕微鏡) システムのオプション機能として動作します。

[AFM-MA・AFM-DMA]機械特性評価
(弾性率測定・動的粘弾性率測定)の
分析事例はこちらからご覧ください。

特徴

AFM-MA,AFM-DMAは硬さに関して知見を得ることが可能な分析です。AFMの計測技術であるフォースカーブに対して各計算モデルからフィッティングを行い、弾性および粘弾性データを取得します。

  • DMA試験機およびナノインデンターと整合性のあるデータを微小領域で測定可能
  • 10KPa から100Gpa と様々な硬さの材料に適用可能
  • 弾性体モデル(DMT,Hertz,JKR)および粘弾性体モデルによるフィッティングが可能
  • 上記モデルによる弾性率,粘弾性率マッピングが可能
  • 各分析点における周波数依存性(0.1~20kHz) を評価可能
  • 温度変化(室温~250℃)による測定が可能

適用例

  • ポリマーブレンドブロック共重合体
  • 多層フィルム
  • ナノファイバー
  • 高分子ナノコンポジット材料
  • 欠陥・異物分析
  • ポリマー材料: PS(ポリスチレン)、PCL(ポリカプロラクトン)、PP(ポリプロピレン)等
  • 生体材料: 毛髪、培養細胞等
  • 薄膜試料: ナノインデンターで評価困難な材料にも対応(5nm以上の膜厚より対応

原理

材料の機械特性を弾性体モデルまたは、粘弾性体モデルから算出

試料に対して曲率先端径及びばね定数の算出された探針を用いて、AFM測定技術であるフォースカーブを取得します。取得したフォースカーブを【弾性体】【粘弾性体】として2つの計測モードを用いて評価します。弾性体はAFM-nMAモードにて計測し、3つの接触力学モデルからフィッティングを行い弾性率評価をします。粘弾性体はAFM-nDMAモードにて計測します。フォースカーブ計測中に探針から試料に一定の周波数を与えることで動的粘弾性モデルとして、貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E”)、tanδ(E”/E’)を算出します。また、周波数依存性(0.1Hz~20kHz)や温度依存性(室温~250度)も評価可能です。

分析可能範囲及び測定材料例

原理

【弾性体評価】(AFM-MA) 【3種の接触力学モデルを使用したフィッティング】

原理

【粘弾性体評価】(AFM-DMA)【ナノスケールでの動的粘弾性モデルの活用によるフィッティング】

原理

データ例

PS/PCL コンポジット薄膜サンプル

PS(ポリスチレン)及びPCL(ポリカプロラクトン)の分布を弾性体計算モデル及び粘弾性体計算モデルとして可視化しています。弾性体モデルではDMTによるフィッティングを行った弾性率と、粘弾性体モデルとして計算した貯蔵弾性率を比較してます。複数の計算モデルの結果から、材質の機械特性を考察することが必要です。PSとPCLを比較するとのDMT弾性率およびnDMA貯蔵弾性率(動的粘弾性率)の大小関係が一致している。また、粘性項である損失弾性率を見るとPSの方が高いことから粘弾性の影響が高いことが分かります。

データ例

データ形式

  • PDFファイル
  • ご要望に応じて数値データファイル

仕様

測定可能領域
水平方向: ~ 80μm×80μm
垂直方向: ~ 2μm
測定可能波数 0.1~300Hz(通常時)
0.1~20 kHz(アクチュエータ使用時)
測定可能温度 室温~250℃
測定可能試料サイズ 垂直方向: ~2cm
水平方向: 測定環境ごとに異なるため以下参照
仕様
仕様

必要情報

  1. 目的/測定内容
  2. 試料情報
    (1)数量、予備試料の有無など
    (2)材質、構造、形状、試料破壊(分割・試料台への接着固定)の可否、測定希望箇所と視野の大きさ 、予想される粗さや傾向など,予想される弾性率
    (3)注意事項
  3. 納期のご要望
    ご希望の速報納期
    試料数が多い場合には、優先順位をご指定ください
  4. その他の留意点

注意点

  • 予想弾性率の情報が無い場合、算出されるデータの信頼性が乏しい場合があります
  • モデルより算出される弾性率は参考表示となります

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