特徴
室温では柔らかくて切削できない有機・高分子材料サンプルやゲル状の材料も冷却して硬化させることで加工が可能となります。クライオ加工により、室温では困難なTg(ガラス転移温度)が低い材料等の超薄切片作製や断面出しを行うことができます。
液体窒素を常に供給することで、試料を液体窒素温度までの任意の温度に冷却したまま保持します。
冷却硬化したサンプルを鋭利なダイヤモンドナイフもしくはArイオンやGaイオンビームで切削することで、
試料切片作製や断面加工を行います。
- 柔らかいサンプルを冷却することで硬化して切削可能
- 液体窒素付近の温度まで冷却することが可能
- サンプル・雰囲気・ミクロトーム刃の温度はそれぞれ独立して設定可能
- 主に常温では柔らかい材料(生体試料・高分子材料など)の加工に有効で、ゲル状材料なども冷却することにより加工できる場合がある
適用例
- 生体試料の構造観察
- ゴムや高分子フィルムなど高分子材料の組成分布評価
- リチウムイオン二次電池材料(電極・セパレータ)の構造観察
- ゲル状材料
- リキッドファンデーションの断面観察
- アイスクリーム中の気泡・氷結晶の分散状態評価
- エマルションの断面観察
原理
液体窒素を常に供給することで、試料を液体窒素温度以下の任意の温度に冷却したまま保持します。
冷却硬化したサンプルを鋭利なダイヤモンドナイフもしくはArイオンやGaイオンビームで切削することで、試料切片作製や断面加工を行います。
データ例
ゴムを切削した加工面をTOF-SIMSで測定した例(二次イオン像)
バターをFIBで加工し、断面をSEM観察した例