[TEM-EELS]電子エネルギー損失分光法

TEM-EELS:Electron Energy-Loss Spectroscopy

装置外観

[TEM-EELS]電子エネルギー損失分光法の
分析事例はこちらからご覧ください。

特徴

EELS分析とは、電子が薄片試料を透過する際に原子との相互作用により失うエネルギーを測定する手法です。物質の構成元素や電子構造を分析することができます。
TEMに付属している元素分析装置(EDX)と比較して、下記の特徴があります。

  • EDXに比べて軽元素の感度が良い
  • EDXに比べてエネルギー分解能が高い
  • EDXに比べて空間分解能が高く、周辺情報を検出し難い
  • 元素によっては化学状態分析が可能

適用例

微小領域(0.2nm~1μm)の組成分析・面分析

  • 定性分析-軽元素、遷移元素の評価
  • 元素の化学状態評価-カーボンの結晶質/非晶質-相転移、化合物の結合状態評価
  • ドーパント偏析調査
  • Li元素分布評価
  • TiN組成評価

原理

EELSとは、入射した電子線が試料内の電子を励起する際に失ったエネルギーを測定することで、試料の組成や元素の結合状態を分析する分光法です。

EELSは大きく分けて3つの領域に分けられます。

  1. ゼロロス : 試料と相互作用せずに透過してきた電子、および弾性散乱した電子
  2. 価電子励起領域 : 30eV以下の低エネルギー側で、プラズモンやバンド間遷移
  3. 内殻電子励起領域 : 内殻準位からの遷移元素によって異なるため組成分析に用いる
原理

データ例

点分析: 二酸化チタン(TiO2)の状態評価

Si基板上に成膜した厚さ約20nmの結晶性TiO2試料を測定しました。
試料から取得した損失スペクトルはアナターゼ型TiO2の標準スペクトルと一致しています。
電子状態の違いにより損失スペクトルの形状に差が生じるため、結晶型を区別することができます。
ただし、化学状態の判定は、ライブラリデータやリファレンス試料、科学計算との比較によって行います。

点分析: 二酸化チタン(TiO2)の状態評価

面分析: バリアメタルTiの分布評価

Si系デバイス中のTiの分布を3-window法で測定しました。比較的高濃度の構成元素の分布評価に有効です。微量元素の場合には、スペクトルイメージング法が有効です。

面分析: バリアメタルTiの分布評価

仕様

検出可能元素 Li~Uの元素
搬入可能試料サイズ TEM観察用薄片試料
測定可能領域 0.2nm~1μm程度(試料・測定条件による)
検出深さ TEM観察用薄片の厚さ
検出下限 0.5atomic%程度(点分析の場合、構成元素による)
※2,3-window法による面分析は点分析よりも1点当たりの積算時間が短いため、
点分析に比べ検出下限が劣ります。
分解能 0.2nm~(試料・測定条件による)

必要情報

  1. 目的/測定内容
  2. 試料情報
    (1)数量・予備試料の有無など
    (2)分析箇所・領域・着目元素(線分析・面分析の場合)・層構造・膜厚など
    (3)注意事項
  3. 納期
    (1)ご希望の速報納期
    (2)注意事項
  4. その他の留意点

注意点

  • 試料を薄片化する必要があります(一部の試料においては薄片化が困難な場合あり)。
  • 試料加工および観察により、試料が変質・変形することがあります。
  • 分析時にハイドロカーボン等の付着があります。

[TEM-EELS]電子エネルギー損失分光法の分析事例はこちらからご覧ください。

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