XRF:X‐ray Fluorescence
卓上型
ハンドヘルド型
[XRF]蛍光X線分析法の
分析事例はこちらからご覧ください。
特徴
蛍光X線分析(XRF: X‐ray Fluorescence)は照射X線により発生する蛍光X線を検出し、エネルギーや分光結晶で分光することによって、元素分析や組成分析を行う手法です。
- 測定範囲の全エネルギー(Na~U)が同時に短時間で測定可能
- 特殊な試料を除き、前処理不要、大気中での分析が手軽に行える
- 未知試料の分析に適している
- ハンドヘルド型の装置で動かせない大型試料の元素分析が可能
- 非破壊分析
適用例
- 金属材料の組成評価
- セラミックスの元素分布の可視化
- 樹脂中の異物の元素分析
- 透過X線像の取得
- 部品のめっき膜厚の測定
- ウェハ上金属膜の膜厚分布評価
- 残渣の成分特定
- 液体の元素分析
- SUS材料の型番調査
原理
XRFはX線照射により発生する蛍光X線をエネルギーや分光結晶で分光し検出します。蛍光X線のエネルギーは元素固有なので、試料を構成する元素の同定が行えます。また、強度から組成に関する情報が得られます。
蛍光X線発生の過程
基底状態の原子にX線を照射する(1)と、ある確率で、内殻電子を原子外に励起し、内殻に空孔が生じます(2)。内殻に空孔を持つ状態はエネルギー的に不安定なため、外殻電子が内殻に遷移します(3)。その際、遷移前の状態と遷移後の状態のエネルギー差に相当する蛍光X線を放出します(4)。蛍光X線は元素により固有のエネルギーを持つので、これを測定することにより元素分析を行うことができます。
データ例
プリント基板の光学顕微鏡写真
プリント基板の透過X線像
プリント基板電極部周辺の面分析
プリント基板電極の線分析
スタンダードレス定性・半定量
バルク試料(GaAs基板)
スタンダードレス半定量(合金ホイル)
薄膜試料Zn:Sn=30:70 (wt%)
データ形式
- PDFファイル、JPEGファイル、ビットマップファイル等
仕様
検出可能元素 |
Na~U (卓上型) Mg~U (ハンドヘルド型) |
搬入可能試料サイズ |
直径200mmφ、高さ80mm程度重量1kg (卓上型) |
ビーム径 |
卓上型10μmφ、1.2mmφ ハンドヘルド型9mmφ |
検出深さ |
数μm~数mm(元素・管電圧による) |
検出下限 |
0.1wt%程度(点分析の場合、ビーム径および元素による) |
一次X線源 |
Rh |
管電圧 |
15、30、50kV (卓上型) 最大45kV(ハンドヘルド型) |
管電流 |
最大1mA(卓上型) 最大50μA(ハンドヘルド型) |
エネルギー分解能 |
150eV程度(Mn半値幅) |
必要情報
- 目的/測定内容
- 試料情報
(1)数量など
(2)着目元素・試料サイズ・層構造・膜厚・破壊可否など
(3)注意事項
- 納期
(1)ご希望の速報納期
(2)注意事項
注意点
- 卓上型装置では試料室の雰囲気は大気と真空が選べます。
- 気体の分析はできません。
- X線は透過能力が高いため、バルク試料では数十μm~数mm程度の領域の情報を検出することがあります。
- 膜厚の理論計算を行うには層構造が既知であることが必要です。また下地と同種の元素が膜に含まれている場合は、評価することが困難です。
- 理論計算によって濃度を算出することが可能ですが全て半定量値となります。
- エネルギー分解能が150eV程度(Mn半値幅) とWDXに比べると一桁劣るため、ピークの重なりにより元素の判別が困難なケースがあります。
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