C-SAM:Constant-depth mode Scanning Acoustic Microscorpe
[C-SAM]超音波顕微鏡法の
分析事例はこちらからご覧ください。
特徴
C-SAMは、試料の内部にある剥離などの欠陥を非破壊で観察する手法です。SAT:Scanning Acoustic Tomographyとも呼ばれます。
音波を用いることから試料の光学的な性質に左右されず、試料表面だけでなく、表面下の内部構造も非破壊で観察する事が可能です。空気との界面での反射が大きいことから、電子部品のパッケージ内部などに存在する空隙やクラックを高感度で観察できます。空隙箇所の判定は、各測定箇所における超音波の反射波形から判定します。
- X線CTによる観察では確認が困難な「電極の接合状態」や「貼り合わせウエハの密着性」などの確認に有効。
- 反射波のほか、透過波の取得も可能。
適用例
- 半導体パッケージ品の欠陥調査
- 電子部品内部の欠陥調査
- シリコンウエハ貼り合わせ界面の空孔調査
- 金属板の貼りあわせ界面の密着性調査
- 面実装LEDの欠陥調査
- 接着剤・粘着テープなどの密着性調査
- セラミックス材料の空孔調査
※いずれの試料も耐水性が必要となります。
原理
プローブ(トランスデューサー)からサンプル内部へ発振された超音波の反射波形を捉える事で、サンプル内部の状況を可視化します。
異なる材質の界面では音響インピーダンスが変化し、反射強度が変わります。この反射強度は、材質ごとの音響インピーダンスの差に比例して大きくなり、空気層では極めて強い反射が起こります。また、音響インピーダンスの大きい物質から小さい物質への界面では反射波形の位相が反転します。
データ例
トランジスタの欠陥調査
測定試料外観写真
観察方向
1. 上からの観察像
不具合品では、ワイヤ周辺に強い反射が確認されました。
2. 深さ方向の情報
擬似断面測定から、欠陥はチップ部ではなく、その上の部分に生じていると判断できます。
半導体チップの分析事例
試料表面からの反射画像
内部からの反射画像(試料表面情報を含む)
試料表面の刻印越しに内部の配線等が確認できます。
データ形式
仕様
搬入可能サイズ(最大) |
400mm角×高さ50mm |
測定範囲 |
~305mm角 |
面分解能 |
約20μm~130μm |
周波数※ |
15MHz、25MHz、50MHz、100MHz、230MHz |
その他 |
透過スキャン、水掛流し測定 |
※周波数は面分解能や透過能力に影響します。
周波数が高ければ分解能は高くなりますが、超音波の透過力は低下します。
必要情報
- 分析目的/測定内容
- 試料情報
(1)試料数・形状(サイズ)
(2)サンプル構造(材質、膜厚)
(3)リファレンスサンプルの有無
(4)試料到着日
(5)注意事項
注意点
以下の材料は試料・装置に悪影響を与え、測定ができない場合があります。
- 水に浸漬できないもの
- 凹凸が大きいもの
- 成分が水に溶け出す可能性があるもの
- 40℃以上の熱に耐えられないもの
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