[TDS]昇温脱離ガス分析法

TDS:Thermal Desorption Spectrometry

装置外観

[TDS]昇温脱離ガス分析法の
分析事例はこちらからご覧ください。

特徴

TDSは、真空加熱/昇温により発生したガスを温度毎にモニターできる質量分析法です。
TDSスペクトルは、横軸に温度、縦軸にイオン強度を表します。これにより、放出されるガスの脱離量の比較、脱離温度の比較が可能です。また、真空雰囲気下であることから水素や水も感度よく分析することができます。

  • 試料から脱離するガス及び圧力と、発生温度の関係を知ることが可能
  • 試料のみを加熱できるため、バックグランドが低く、水素、水、酸素、窒素などの低質量分子の高感度分析が可能
  • 試料からの発生ガスの成分推定、及び定量(分子の数)分析が可能

適用例

  • ウエハ表面の有機、無機汚染評価(Si基板・ガラス基板・SiC基板など)
  • 薄膜中の水分評価(酸化膜・窒化膜・金属膜・レジスト膜など)
  • 成膜ガスの残留調査(成膜材料起因・成膜環境起因など)
  • 洗浄、エッチングなどの残渣調査
  • 膜のはがれ、ふくれなどの異常の原因調査
  • 有機膜のアニール温度評価
  • パッケージ、接着剤など各種材料からの脱ガス調査
  • H2の脱離など

原理

加熱部(赤外線)

試料をステージ上に置き、ステージ下部から赤外線を照射することにより試料を加熱します。
温度制御は、ステージ側にある熱電対にて行います。試料上部側の熱電対により試料表面側の温度を測定することも可能です。

加熱部-赤外線

加熱部(抵抗炉)

加熱炉中に試料を導入し、最高1500℃まで昇温可能です。

加熱部-抵抗炉

加熱部(IH)

高周波電磁誘導加熱により試料保持具の温度で1700℃まで昇温可能です。

加熱部-IH

質量分析部

加熱により発生したガスは加速した電子の衝突よりプラスイオン化され、質量電荷比に応じて分離されます。

質量分析部

データ例

ITO薄膜

定性分析

Scan(定性)スペクトル

定量分析

MID(定量)スペクトル

データ形式

  • CSVファイル: 数値データ
  • PDFファイル: スペクトル

仕様

搬入可能試料サイズ 赤外線加熱:10mm角推奨(~13mm角まで可能) 、厚み(Z) 4mm以下
抵抗炉加熱:24mmφ、厚み(Z)20mm以下
IH加熱:17mm角まで
粉体の場合は100mg 程度以上
※その他サイズについてはご相談ください。
測定温度範囲 赤外線加熱:50℃~1400℃ (試料ステージ温度)
抵抗炉加熱:RT~1500℃
IH加熱:400℃~1700℃
昇温レート 60℃/min (その他も対応可能)
評価可能成分 無機ガス:H2, H2O, CO, N2, O2, CO2, NH3, HF, H2S, HCl, Ar など
金属:Mg, Cu, Zn など
有機ガス:メタン・エタン・ベンゼン・アルコールなど

※検出された場合は測定を終了させて頂く場合があります。

必要情報

  1. 目的/測定内容(定性/定量、昇温速度、昇温範囲等)
  2. 試料情報
    (1)数量・予備試料の有無など
    (2)構成材料・形状・構造・膜厚・表裏の判断・加工の有無など
    (3)注意事項
  3. 納期
    (1)ご希望の速報納期
    (2)注意事項
  4. その他の留意点

注意点

  • 本手法は、再委託によるサービスとなります。
  • 試料は予備を含め10mm角を3枚程度ご用意ください。
  • 以下の場合、測定を中断することがあります。予めご了承ください。
    (1)チャンバに入れて20分待機しても測定開始圧力にならないとき
    (2)分析中に1E-4Pa以上になったとき
    (3)分析中に腐食性成分、低融点金属蒸気が装置に障害を与えるレベルになったとき。
    (4)その他、試料により予期せぬ問題が生じた場合
  • 定量値は測定温度範囲で検出された脱離ガス分子の数(Molecules/Sample)として報告します。

[TDS]昇温脱離ガス分析法の分析事例はこちらからご覧ください。

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