[SCM]走査型静電容量顕微鏡法・
[SNDM]走査型非線形誘電率顕微鏡法

SCM : Scanning Capacitance Microscopy
SNDM : Scanning Nonlinear Dielectric Microscopy

装置外観

SCM/SNDM はAFM システムのオプション機能として動作します。

[SCM]走査型静電容量顕微鏡法・
[SNDM]走査型非線形誘電率顕微鏡法の
分析事例はこちらからご覧ください。

特徴

SCM/SNDMは、導電性の探針を用いて半導体表面を走査し、キャリア分布を二次元的に可視化する手法です。

  • SCM:1015~1020cm-3, SNDM:1014~1020cm-3程度のキャリア濃度に感度がある
  • 半導体の極性(p型/n型)の識別が可能
  • キャリア濃度に相関した信号が得られるが、定量評価は不可
  • AFM像の取得も可能

適用例

  • 拡散層のp/n極性の判定
  • LSI 内特定箇所の拡散層形状評価
  • 個別半導体(バイポーラトランジスタ・ダイオード・DMOS・IGBT等)の拡散層形状評価
  • 半導体素子の不良箇所(注入異常・リーク不良等)の拡散層形状評価
  • TFTの拡散層形状評価(LDD部の可視化)
  • 強誘電体材料の分極評価

原理

電気容量変化によるキャリア分布の可視化

探針と半導体との接触箇所はMOS構造となり、半導体表面の酸化膜の静電容量COxと半導体の静電容量CDが接続された系とみなすことができます。この系に対して高周波電圧VACを印加すると、合成容量Cが変動します。この変動は探針直下の半導体中のキャリアの振動によるものにほかならず、変動の大きさは探針直下のキャリア濃度に依存します。
探針を走査させながら、合成容量Cの変動⊿Cにより生じる高周波共振器の変調信号を測定することで、キャリアの分布を二次元的に可視化することができます。

電気容量変化によるキャリア分布の可視化 原理

SCM装置構成図

電気容量変化によるキャリア分布の可視化 具体例

SNDM装置構成図

データ例

SCM/SNDM像(極性像): Si Planer IGBT

n型の箇所を青色で、p型の箇所を橙色で表示しています。キャリア濃度とSCMの信号強度の関係はおおむね図のようになりますが、測定系によって特性曲線の形が変わるため、定量性はありません。

SCM像(極性像): Si Planer IGBT

AFM像(凹凸像): MOSFET

研磨加工によって露出した断面の形状像です。材質によって研磨速度が異なるため、配線などの構造が凹凸となって現れます。

AFM像(凹凸像): MOSFET

AFM+SCM合成像

AFM 像とSCM 像を画像合成したものです。配線形状と拡散層形状との位置関係を知ることができます。

AFM+SCM合成像

データ形式

  • PNGファイル

仕様

搬入可能試料サイズ 水平方向: 5mm×5mm~8インチ基板
垂直方向: ~ 20mm
※信頼性の高い測定のためにはnmレベルの平坦面が求められます
※通常は機械研磨で半導体素子の断面を露出して測定を実施します
測定可能領域 水平方向: ~ 80μm×80μm (512点×256点)
垂直方向: nm レベルの平坦面が求められます
検出深さ 数nm~数百nm ※探針先端径、キャリア濃度に依存
水平方向分解能 20nm~数百nm ※探針先端径、測定領域の大きさ、キャリア濃度に依存
検出キャリア濃度 SCM:1015~1020cm-3, SNDM:1014~1020cm-3
※定量性はありませんが、定性的な知見が得られます

必要情報

  1. 目的/測定内容
  2. 試料情報
    (1)数量、予備試料の有無など
    (2)測定箇所の図(CAD図や光学顕微鏡写真など)、断面形状、拡散層形状、材質、極性、濃度、測定希望視野など
    (3)注意事項
  3. 納期のご要望
    ご希望の速報納期
    試料数が多い場合には、優先順位をご指定ください
  4. その他の留意点

注意点

  • 測定用に加工された試料は返却いたしません
  • キャリア濃度への換算は行いません

[SCM]走査型静電容量顕微鏡法・[SNDM]走査型非線形誘電率顕微鏡法の分析事例はこちらからご覧ください。

分析のご相談・お申し込み

知識豊富な営業担当が、最適な分析プランをご提案。
分析費用のお見積りもお気軽にお問い合わせください。
相談・お申し込みは、専用のフォームかお電話でどうぞ。

webからのお問い合わせはこちら

分析お問い合わせフォーム

お電話からのお問い合わせはこちら

ページトップへ