TG-DTA-MS:Thermogravimetry-Differential Thermal Analysis and Mass Spectrometry
[TG-DTA-MS]示差熱天秤-質量分析法の分析事例は
こちらからご覧ください。
特徴
TG-DTAは、加熱によって生じる重量変化(TG)、吸熱・発熱の熱挙動(DTA)を同時に評価します。
またTG-DTA-MSはTG, DTAの評価に加え、揮発成分の評価(MS)を連続して行います。
- TGにより、%オーダーの重量変化を捉えることが可能
- DTAにより、熱分解・融解・昇華・酸化・燃焼・相転移等の反応の知見を得ることが可能
- MSにより、揮発成分や分解物の構造推定が可能
適用例
TG-DTA
有機物・樹脂・粘着剤・接着剤・生体高分子など : 融点、熱分解温度、燃焼温度の評価が可能
金属 : 融点の評価が可能
ゴム・電池材料など: 有機物、無機物の比率推定が可能
TG-DTA-MS
有機物・樹脂・粘着剤・接着剤・生体高分子など: 熱分解時・燃焼時の成分分析が可能
原理
TG : Thermogravimetry(熱重量測定)
加熱によって生じる重量の変化を天秤の傾きによって検知します。天秤は常に水平になるように補正されています。このようにして基準物質との重量差の変化を連続的に記録します。
重量の増減とDTAによる熱的変化から酸化還元、熱分解、吸脱着、蒸発、揮発などの状況を測定することができます。
DTA : Differential Thermal Analysis(示差熱分析)
基準物質とサンプルを同時に加熱し、両者の温度差を熱電対によって測定し、連続的に記録します。
温度差の変化から、熱的変化の有無や反応の種類がわかります。
MS : Mass Spectrometry (質量分析)
加熱により発生した分子(ガス)に、熱電子(電子衝撃法:EI法)または光(光イオン化法:PI法)を当てると、分子イオン又はフラグメントイオンが生じます(図2)。分子イオン又はフラグメントイオンは、対角位置にある2組のロッドに直流電圧とラジオ波周波数の交流で電圧をかけられた質量分離器に入ると、摂動を受け、複雑な振動をしながら矢印方向に進みます(図3)。電圧を調整することにより特定の質量のイオンのみを検出器に到達させ、その強度を測定します。
質量分析では発生するガス・分子種などの知見を得ることができ、前段にTG-DTA、後段にMSを繋げることで、巨視的データと構造情報に繋がるような微視的な知見を連続的に得ることが可能です。
データ例
TG-DTA-MSチャート(シュウ酸カルシウム水和物)
マススペクトル
データ形式
仕様
導入可能サンプルサイズ |
直径4mm程度の容器(Al,Pt,Al2O3)に入る試料 |
昇温温度範囲 |
室温~1550℃ |
昇温速度 |
通常10℃/min ~ 20℃/min(その他の速度もご相談ください) |
測定雰囲気 |
He, 擬似Air (20%O2 80%He) (MS分析実施なしの場合、N2, Ar, 乾燥Airも可) |
質量範囲(MS分析) |
通常 m/z 10~200 (最大 m/z 410まで) |
イオン化法 |
EI法, PI法から選択可 |
必要情報
- 目的/測定内容
(1)目的
(2)温度域、昇温速度
(3)雰囲気
(4)MSの有無・範囲
- 試料情報
(1)数量、予備試料の有無など
(2)構造、組成、形状、試料破壊(割断・粉砕等)の可否など
(3)注意事項
- 納期
(1)ご希望の速報納期
- その他の留意点
注意点