FT-IR:Fourier Transform Infrared Spectroscopy
[FT-IR]フーリエ変換赤外分光法
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特徴
赤外分光法は、分子の振動による赤外線吸収を測定することで、分子構造の情報を得る手法です。
- 非破壊での測定が可能
- 真空下での測定により、大気成分であるCO2やH2Oの影響を除去することが可能
- 顕微測定により、数十μm角程度の領域の測定が可能
- 透過法、反射法、ATR法などを用いることで、様々な形状や状態の試料を測定することが可能
適用例
- 異物の定性分析
- 有機膜の材質評価
- SiO2膜の状態評価
- 樹脂の硬化度評価
- ポリイミドのイミド化率評価
- プラスチックの劣化評価
- 接着剤の成分分析
原理
赤外分光法
赤外分光法とは、0.8~1000μmの赤外領域の光を用いる分光法です。
最もよく利用されるのは、中赤外の領域(2.5~25μm)で、この領域の吸収スペクトルは、分子振動のなかでも、双極子モーメントの変化を伴う振動によって生じることから、振動スペクトルとも言われます。
分子に赤外線を照射すると、赤外線の振動周期と原子の振動周期が一致する場合に、個々の原子、原子団はそれぞれの周期に応じてエネルギーを吸収し、振動は基底状態から励起状態に変化します。この吸収が赤外線スペクトルの吸収となって現れます。原子は分子構造に応じた固有の振動を持っていますので、スペクトルを解析することで分子構造に関する知見を得ることができます。
FT-IRとは
FT-IRは波長を変化させて試料に赤外線を照射するのではなく、連続光を試料に照射し、干渉パターンをフーリエ変換することで分子構造に応じた吸収スペクトルを取得し、物質中の原子団(基)の情報を得る手法です。
連続光による全波数域の入射光を同時に測定できることから、短時間で高感度の測定が可能です。
データ例
FT-IRスペクトルの横軸は波数(波長の逆数)で表示されます。吸収のパターンをライブラリのスペクトルと比較することで、物質の同定を行うことも可能です。
FT-IRスペクトル例
ライブラリ検索例
データ形式
仕様
搬入可能試料サイズ |
200mm×200mm×15mm程度(顕微測定時) |
測定領域 |
10μm角程度~(顕微測定時) |
必要情報
- 目的/測定内容
- 試料情報
(1)数量、予備試料の有無など
(2)構造、形状、評価箇所の大きさ(領域・厚さ)、層構造、材質、予想される物質など
(3)注意事項
- 納期
(1)速報納期
(2)注意事項
- その他の留意点
注意点
- 黒色物など、赤外光の吸収が大きい試料は、良好なスペクトルの取得が困難になる場合があります。
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