UPS: Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy
[UPS]紫外光電子分光法の
分析事例はこちらからご覧ください。
特徴
UPSは、紫外光照射により放出される電子の運動エネルギー分布を測定し、試料極表面(数nm程度以下)の価電子状態に関する知見を得る手法です。その一方で、高いエネルギー分解能を利用して各種金属材料の仕事関数評価にも用いられています。
XPS分析と併せて測定が可能なため、試料表面組成の定性・定量や結合状態と仕事関数値との相関を調べることが可能です。
適用例
- Au、Ag、Cuなど金属膜の仕事関数評価
- TiNなど窒化膜の仕事関数評価
- 酸化物半導体のイオン化ポテンシャル評価
- 太陽電池材料の価電子帯評価
原理
測定試料の仕事関数値よりも高いエネルギーを持つ紫外光を照射することで、試料表面から電子が放出されます。(紫外光: He I線21.22eV)
放出された電子の運動エネルギー分布(右図)から試料の価電子状態を得、更にスペクトル幅より仕事関数は以下の表式を用いて求めます。
データ例
Au,Ag膜の仕事関数評価
ゼロ運動エネルギー(Ecutoff)の電子を検出するために試料に負の電圧を印加して測定を行います。
そのため印加電圧分横軸がシフトし、束縛エネルギーが負の領域にわたってスペクトルが存在しています。
半導体のイオン化ポテンシャル評価
データ形式
- PDFファイル:スペクトル
- Excelファイル:仕事関数値、光電子スペクトルの数値データ
仕様
搬入可能試料サイズ |
20mmφ程度、高さ5mm以下 |
測定可能領域 |
8mm角程度※広域測定のみ可能 |
エネルギー分解能 |
100meV以下 |
必要情報
- 目的/測定内容
- 試料情報
(1)数量・予備試料の有無など
(2)分析箇所・領域・層構造・膜厚など
(3)注意事項
- 納期
(1)ご希望の速報納期
(2)注意事項
- その他の留意点
注意点
- 通常、最表面の汚染をスパッタクリーニングによって除去します。
スパッタに弱い有機材料などはクリーニング時にダメージが入る可能性があります。
- 絶縁物/半導体材料のイオン化ポテンシャル測定についてはご相談ください。
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