[(S)TEM](走査)透過電子顕微鏡法

(S)TEM : (Scanning)Transmission Electron Microscopy

装置外観

[(S)TEM](走査)透過電子顕微鏡法の
分析事例はこちらからご覧ください。

特徴

TEMは、薄片化した試料に電子線を照射し、試料を透過した電子や散乱した電子を結像し、高倍率で観察する手法です。

長所

  • サブナノレベルの空間分解能で拡大像が得られ、試料の微細構造・格子欠陥等を観察・解析可能
  • 試料の結晶性を評価し、物質の同定を行うことが可能
  • FIBで試料作製することにより、デバイス内の指定箇所をピンポイントで観察することが可能
  • オプション機能を組み合わせることにより、局所領域の組成・状態分析なども可能

短所

  • 試料を薄片化する必要がある(一部の試料において薄片化が困難な場合もある)
  • 単原子を見ているのではなく、試料の厚み方向(通常約0.1μm厚) の平均情報を映し出している
  • 試料加工および観察により、試料が変質・変形することがある

適用例

  • 各種形状・形態の観察、微粒子の三次元形状評価
  • 各種寸法評価(積層膜厚・寸法(ゲート長)など)
  • 結晶欠陥(転位・積層欠陥・粒界・析出物など)の観察
  • 結晶性評価(配向性・結晶化度・結晶粒サイズなど)
  • 特定箇所の故障解析(不良の原因究明)
  • 異物の評価(形態観察・EDXによる定性分析など)
  • 応力・歪みの評価

    など

原理

電子が薄片試料を透過する際、そのまま直進して試料を透過する電子と、原子の種類や結晶性により散乱を起こす電子があります。散乱した電子は、弾性散乱電子と非弾性散乱電子に大別され、それらの電子を目的に応じて選択して結像することで試料内部の形態・結晶構造・組成・電子状態などの知見を得ます。

電子線と物質との相互作用

電子線と物質との相互作用

電子の回折

電子線の回折

データ例

TEM像: トランジスタゲート断面

TEM像: トランジスタゲート断面

STEM像: トランジスタゲート断面

STEM像: トランジスタゲート断面

ウィークビーム法: GaN

ウィークビーム法: GaN

高分解能HAADF-STEM像: GaN

高分解能HAADF-STEM像: GaN

ABF-STEM像: GaN

ABF-STEM像: GaN

データ形式

  • メール速報時: 低解像度JPEGファイル(120dpi)
  • ダウンロードサービス利用時: 高解像度JPEGファイル(400dpi)
    ※mptファイル(MST測長ソフト「Image Measuring Tool」対応形式)

仕様

導入可能試料サイズ 3mmφ以下
観察可能領域 約10μmφ
加速電圧 60kV~300kV(使用機種により異なる)
透過可能な試料厚み ~数μm(構成元素により異なる)
通常試料厚み 約0.1μm(FIB法)、約0.05μm(ミリング法)
空間分解能 0.07nm~
倍率 通常20,000倍~ 150,000,000倍(STEM)

必要情報

  1. 目的/測定内容
      観察目的および注目箇所、希望する拡大倍率など
  2. 試料情報
    (1)数量・予備試料の有無 など
    (2)試料サイズ・形状
      パターンの有無・評価対象パターンの大きさ(具体的な寸法)
      試料材質・層構造および膜厚・評価対象周辺パターン図
      観察方向(平面・断面)、断面に関しては断面方向
    (3)注意事項
      割れやすい・割断不可・水に弱い・熱に弱い など
  3. 納期
    (1)ご希望の速報納期
    (2)注意事項
  4. その他の留意点
       追加観察・分析の可能性・過去観察試料と比較したい など

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