O-PTIR:Optical Photothermal Induced Resonance
[O-PTIR]PTIR検出方式サブミクロン赤外分光分析法の
分析事例はこちらからご覧ください。
特徴
赤外分光法は、分子の振動による赤外線吸収を測定することで、分子構造の情報を得る手法です。 O-PTIRは以下の特徴があります。
- 空間分解能(最大空間分解能:1μm以下)での評価が可能なため微小領域でのスペクトル測定・イメージ測定が可能
- 薄片化不要(異物試料等、薄片化が困難な試料に有効)
- 基本的には非破壊での測定が可能
- FT-IRのライブラリーを使用することで同様の解析が可能
適用例
- ポリマーブレンドブロック共重合体
- 多層フィルム
- ナノファイバー
- 高分子ナノコンポジット材料
- 欠陥・異物分析
原理
光吸収を試料の熱膨張として検出
試料上方から波長可変IRパルスレーザーを照射した際(①)、試料の赤外吸収により瞬間熱膨張変化
(フォトサーマルレスポンス:温度変化,熱膨張)が生じます。この瞬間熱膨張変化を同軸入射の可視光
レーザープローブにより検出します(②)。IRパルスレーザーの波数を変化させて試料へ連続的に照射
することにより、赤外吸収に応じたスペクトルを取得することが可能です(③)。
吸収現象を直接検出しているためO-PTIR スペクトル= FT-IR スペクトルが成り立つ
データ例
PS/PCL コンポジット薄膜サンプル
PS(ポリスチレン)及びPCL(ポリカプロラクトン)の分布をプローブレーザー反射像及び赤外吸収像にて可視化しています。赤外吸収像では各波数に応じた強度を示しており、組成分布はそれぞれの波数の
強度を比によって表示しております。また画像内でラインプロファイルやスポットでのスペクトル解析も可能です。
データ形式
仕様
搬入可能試料サイズ |
水平方向: ~ 200 mm×200 mm
垂直方向: ~ 20 mm
※測定したい面が水平であること
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測定可能領域 |
水平方向: ~ 100μm×100μm
(最高空間分解能0.5μm程度)
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測定可能波数 |
910~1900 cm-1 |
最適試料条件 |
表面凹凸100nm以下
(分解能高く計測をご希望の場合平坦化することで品質向上を図る)
薄片化なしで分析可能(異物に対して有効)
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必要情報
- 目的/測定内容
- 試料情報
(1)数量、予備試料の有無など
(2)構造、形状、評価箇所の大きさ(領域・厚さ)、層構造、材質、予想される物質など
(3)注意事項
- 納期
(1)速報納期
(2)注意事項
- その他の留意点
(1)異物の場合予想される物質もしくは使用されていた環境の情報をご提供ください。
注意点
- 本手法は、再委託によるサービスとなります。
- 黒色物など、赤外光の吸収が大きい試料は、良好なスペクトルの取得が困難になる場合があります。
- 薄膜(200nm以下)は対応が困難な場合があります。
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