[TOC]全有機体炭素測定の
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特徴
TOC計は、試料中の全炭素(TC:Total Carbon) 、全有機体炭素(TOC:Total Organic Carbon)、無機体炭素(IC:Inorganic Carbon)を評価することができる装置です。
- 有機成分含有量を全有機体炭素(TOC)として評価可能
- 液体試料と固体試料の測定が可能
- 全炭素(TC:Total Carbon)、無機体炭素(IC:Inorganic Carbon)の測定が可能
適用例
- 超純水のTOC測定
- 製薬用水のTOC測定
- 水道水のTOC測定
- エッチング液のTOC測定
- メッキ液のTOC測定
- 洗浄効果の評価(洗浄バリデーション)
- 土壌のTC、IC測定
原理
TC-IC法(液体試料)
試料中の全炭素(TC)と無機体炭素(IC)を個別に測定し、その差から全有機体炭素(TOC)を求めます。
TCの測定
試料を酸化触媒が充てんされた燃焼管(680℃)に注入し、燃焼あるいは分解により発生した二酸化炭素(CO2)を非分散型赤外線式ガス分析部(NDIR)で検出します。
ICの測定
試料を酸性(pH3以下)にし、通気処理を行うことで炭酸塩等からCO2を遊離させ、NDIRで検出します。
NDIR :Non-Dispersive Infra Red detector
NPOC法(液体試料)
試料にあらかじめ酸を加えて酸性(pH3以下)にし、通気処理を行うことで、ICを除去します。このICを除去した試料のTCを測定することにより、TOCを求めます。TOCが低い試料に適していますが、原理上の理由から揮発性有機化合物が多い場合は上記のTC-IC法をお勧めします。
NPOC:Non-Purgeable Organic Carbon(不揮発性有機体炭素)
TC-IC法(固体試料)
試料中の全炭素(TC)と無機体炭素(IC)を個別に測定し、その差から全有機体炭素(TOC)を求めます。
TCの測定
試料を燃焼管(900℃)に注入し、燃焼あるいは分解により発生した二酸化炭素(CO2)を非分散型赤外線式ガス分析部(NDIR)で検出します。
ICの測定
試料を酸性(pH3以下)にし、200℃で加熱を行うことで炭酸塩等からCO2を遊離させ、NDIRで検出します。
データ例
NPOC法(液体試料:TOC濃度0.5 mgC/L)
TC-IC法(液体試料:TOC濃度5.9 mgC/L)
TC-IC法(固体試料:TOC量0.1 mgC)
データ形式
仕様
測定可能形態 |
液体、固体 |
測定可能成分 |
TC :有機物、界面活性剤、炭酸塩
IC :炭酸塩
NPOC :不揮発性有機物 |
定量下限 |
液体: 50 μg/L (炭素換算)
固体: 1mg/g (炭素換算) |
必要試料量 |
液体: 40 mL程度
固体: 数g程度 |
必要情報
- 目的/測定内容
- 試料情報
(1)試料数
(2)試料種、試料中の含有成分
(3)注意事項
- その他(安全性など)
注意点
- 予備試料が必要な場合があります。
- 酸・アルカリ・塩類を多く含む試料の場合、前処理(希釈、中和)が必要になります。
- 懸濁物を多く含む試料(大きな固形物を含む試料)は固体試料測定での対応となります。
- 界面活性剤を多く含む場合、前処理(希釈)が必要になります。TC‐IC測定での対応となります。
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