MFM:Magnetic Force Microscopy
対応装置1 外観

対応装置2 外観

MFMはAFM(原子間力顕微鏡) システムのオプション機能として動作します。
[MFM]磁気力顕微鏡法の
分析事例はこちらからご覧ください。
特徴
MFMは、磁性膜でコートされたプローブを用いて、サンプル表面近傍に生じている漏洩磁場を測定し、磁気情報を得る測定手法です。
- サンプルの磁気特性の情報を定性的に取得可能
- 漏洩磁場による引力・斥力をイメージング可能
- 漏洩磁場の勾配の大きさに比例した磁気力の信号を得られるが、定量評価は不可
- AFM像の取得も同時に取得可能
適用例
- 高密度記録媒体:
ハードディスク、フロッピーディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等の遷移領域やエッジなど
- 磁気ヘッド:
薄膜ヘッド、GMR、MRヘッド、MIGヘッドのギャップなどの観察、パーマロイ、ガーネット等
- ソフト材料の磁区観察
- 希土類磁石など強磁性体の観察
原理
漏洩磁場による引力及び斥力を検出し、磁気力を可視化
MFM 測定では磁化された(磁性膜でコートした)探針でサンプル上を走査します。この探針をサンプルから浮かせた状態でスキャンすると、サンプルからの漏洩磁場により引力または斥力を受けます。この磁気力により加振しているカンチレバーの共振特性が変わり、その変化を振幅、位相、共振周波数の変化として検出することにより、磁気力のイメージを描きます。
MFM 動作原理
リフトスキャン時のプローブの駆動
- 通常のタッピング・モードで凹凸像を得るためのトレース・スキャン(往路)
- 通常のタッピング・モードで凹凸像を得るためのリトレース・スキャン(復路)
- 既定の高さまでカンチレバーをリフト
- リフト・モードで漏洩磁場を検出しながらトレース・スキャン(往路)
- リフト・モードで漏洩磁場を検出しながらリトレース・スキャン(復路)
データ例
AFM像(凹凸像)及びMFM像(磁気力像) : ビデオテープ
漏洩磁場による引力及び斥力を検出しており、MFM像としては位相の変化を黄及び紫にて描画をしております。下記のデータではビデオテープに記録されている磁気データが一定の周期性を持ち記録されていることが確認できます。MFM像取得を行った箇所は同時にAFM 像も取得が可能であり、試料表面は比較的平坦であり、MFM像にみられる周期構造は表面形状由来でないことを明確に確認することが可能です。
AFM像(凹凸像)
MFM像(磁気力像)
MFM像(磁気力像):拡大箇所
データ形式
仕様
搬入可能試料サイズ |
水平方向: 5mm×5mm~8インチ基板
垂直方向: ~ 20mm
※測定したい面が水平であること
※特殊な形状の場合も測定面を水平に固定できれば測定可能 |
測定可能領域
|
水平方向: ~ 80μm×80μm (512点×512点)
垂直方向: ~ 2μm (65536点)
|
水平方向分解能
|
30nm 程度~ 200nm
※探針先端径と測定領域の大きさに依存。探針と試料との距離に依存。
|
垂直方向分解能
|
0.1nm 未満
|
測定環境
|
大気
|
必要情報
- 目的/測定内容
- 試料情報
(1)数量、予備試料の有無など
(2)材質、構造、形状、試料破壊(分割・試料台への接着固定)の可否、測定希望箇所と視野の大きさ、予想される粗さや傾向など
(3)注意事項
- 納期のご要望
ご希望の速報納期
試料数が多い場合には、優先順位をご指定ください
- その他の留意点
[MFM]磁気力顕微鏡法の分析事例はこちらからご覧ください。