有機ELディスプレイ

有機ELは、自発発光するフレキシブルなディスプレイ、照明パネルとして、今後さらに身近になることが期待されます。すでに、スマートフォン市場では有機ELが主役となり、タブレット端末やノートパソコンの市場での需要が見込まれます。そのため、今後更にその品質・信頼性の向上が望まれています。
有機ELの評価ににおいては、TEM、SEM、TOF-SIMS他各種手法を組み合わせた複合解析を行うことにより、構造解析や組成分析、状態分析および劣化原因の特定などが可能となります。

有機ELの断面観察

密度が低い膜について、高加速電圧(数百kV)では電子線の透過能が高いためにコントラストをつけることは困難ですが、低加速電圧のSEM-STEM像では、わずかな密度の違いを反映し、組成コントラストをはっきりつけることができます。密度差・平均質量差・組成差が小さい有機EL膜に適用できます。

有機ELの断面観察

有機EL素子の層構造評価

N2雰囲気中で有機EL素子の切削加工を行い、各層の定性スペクトルを抽出した結果を示します。
有機EL素子をN2雰囲気下において切削加工を行うことで、より真の状態に近い各層のスペクトルを取得することができました。

有機EL素子の層構造評価

RGB素子の有機EL材料の深さ方向分析

有機ELディスプレイは高精細化・低消費電力化の可能性を秘めた材料であり、市場拡大が期待されています。近年では画質の高精細化のために配列画素が微細化されていく傾向がみられています。 小さな画素を狙って測定を行う場合、従来の斜め切削TOF-SIMS測定では、深さ方向の評価が困難でしたが、今回GCIB(Arクラスター)を導入することで、微小画素でも深さ方向に再現性良く有機EL材料の評価が可能であり、材料の劣化・拡散評価も可能となりました。 ※GCIB:Gas Cluster Ion Beam

市販品の有機ELディスプレイ中の20×100μmの画素内を狙ってTOF-SIMS測定を行いました。 素子が小さいため、従来の斜め切削法では層構造に対応した分布がみられておりません。一方、GCIBを用いたところ、感度良く層構造に対応した有機材料の評価が可能になりました。

有機ELの断面観察

有機ELの材料構造評価

今後需要が拡大する有機ELの信頼性向上のため、詳細な構造解析や状態分析、劣化原因の特定がさらに重要となります。TOF-SIMSとLC/MSを用い、層構造や材料を評価した事例をご紹介します。
TOF-SIMSにより、層構造と各層の成分情報を評価できました。TOF-SIMSで明らかになった質量Eの成分についてLC/MSおよび蛍光検出器による分析を行い、発光波長の評価と成分の構造を把握することができました。このように、TOF-SIMSとLC/MSを組み合わせた分析により、詳細な評価が可能です。

有機ELの断面観察

有機ELのRGB素子の評価

有機ELのRGB素子をTOF-SIMSとSEM-STEM分析を行いました。 TOF-SIMSとSTEMのどちらの結果からも、RGB素子ごとに有機膜の厚さが異なることが分かります。
TOF-SIMSのred素子のデプスプロファイル結果を下に示しています。
TOF-SIMSで膜厚を評価することはできないため、STEM結果の膜厚を深さに当てはめています。

有機ELの断面観察

有機ELディスプレイの分析事例はこちらからご覧ください。

評価対象 評価項目 部位 分析手法
有機EL 積層構造評価 実製品 SEMTEM
非発光箇所の特定 実製品 EMSOBIRCH
バッファ層成分の拡散評価 実製品 SIMSTOF‐SIMS
発光層・輸送層の膜厚評価 実製品 TEM

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てむぞう&ますみん

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