グラフェンの官能基の評価(C0520)
熱分解GC/MS法によりグラフェンの官能基の評価が可能
概要
グラファイトの単層品であるグラフェンは、強靭性、高導電性、高熱安定性などの優れた特性から、電池、透明電極、センサー等、幅広い分野への応用が期待されています。また製法によって表面に存在する官能基の種類や量が異なると言われており、その構造を明らかにすることは性能向上を図る上で重要なポイントとなります。
本事例では熱分解GC/MS法により、2種のグラフェンの官能基を比較した事例を紹介します。
データ
図1 熱分解GC/MSクロマトグラム
グラフェンAからは含酸素有機物は検出されませんでした。
グラフェンBからはエーテル、酸無水物、エステル等、多数の含酸素有機物が検出されました。これらの官能基が試料中に存在しているものと考えられます。