リグニンの抽出・化学分解・構造解析(C0719)
木質バイオマス成分「リグニン」を対象とした各種分析が可能です。
概要
リグニンは木質バイオマスの約3割を占める芳香族高分子成分であり、石油化成品原料の代替品やエンジニアリングプラスチックへの利用可能性に注目が集まっています。本資料では木材からの抽出に始まり化学構造解析までリグニンの総合的な評価事例を紹介します。
リグニンの化学構造
リグニンは図1の左に示した3種類のモノマーが複雑に架橋しており、図1の右に示したような複雑な構造を形成しています。
リグニン総合評価
木材などのリグニンを含む材料やそこから抽出したリグニンを対象に、NMRやLC/MS、GC/MSなどの複数の手法を組み合わせてモノマーの構成比率や架橋構造を対象として評価しました。
磨砕リグニンの抽出やリグニン定量、アルカリ性ニトロベンゼン酸化(※1)やDFRC法(※2)などの各種前処理の他、NMR・LC/MS・GC/MSを用いたリグニンの構造解析など幅広い分析が可能です。
(※1)アルカリ性ニトロベンゼン酸化:リグニン中のエーテル結合のみを選択的に開裂する手法。
(※2)DFRC法(Derivatization Followed by Reductive Cleavage 法):リグニン中の特定の架橋形式のみを選択的に開裂する手法。