SIMS・SCM・TEMによるSiCパワーMOSFETの活性層評価(C0291)
活性層の形状とドーパントを評価
概要
市販のSiCパワーMOS FET素子領域で拡散層分布を評価した事例をご紹介します。
SiC MOSFET製造プロセスでは、イオン注入と活性化熱処理、エピタキシャル層形成などによってチャネル形成します。活性層形成プロセスにおいて、TEM観察からデバイス構造を把握し、SCM測定からp型/n型の断面の拡散層分布やエピタキシャル層、SIMS測定からドーパント元素(N,Al,P)の深さ濃度分布を評価しました。
データ
サンプル概要
市販品を解体し、SiC パワーMOSFET 素子のチャネル構造および拡散層を調査しました。
断面TEM像から、ゲート電極およびコンタクト電極下にイオン注入による欠陥と、チャネル部において欠陥が低減されたエピタキシャル層が形成されていることがわかりました。
SCMによるキャリア分布から、接合位置とチャネルエピタキシャル層を確認し、SIMSによるソース/ウェル領域の深さプロファイルからドーパント元素がリン・窒素・アルミの深さ濃度分布がわかりました。
p型/n型のキャリア分布
チャネル部、ソース/ウェルの接合位置を測長
ドーパント元素の深さ方向濃度分布
n型ドーパントはリン(P)と窒素(N)
p型ドーパントはアルミ(Al)