分子動力学計算
概要
分子動力学計算では、ニュートンの運動方程式を個々の粒子(原子や分子)に適用することで粒子の動きをシミュレートし、統計熱力学に基づいて系の物性値の算出および温度・圧力などの外場に対する応答やダイナミクスを評価します。得られた結果は材料の構造・物性予測に有効であり、材料工学や分子生物学などが関わる研究開発における問題解決に繋がります。本資料では分子動力学計算からわかることとして、解析対象、得られる物性情報および解析事例を紹介します。
分子動力学計算を用いた解析
●解析対象(計算実施には、系の組成や構造、温度や圧力など外場の情報が必要となります)
•主な解析対象は、原子や分子などの集合体
•固体、液体、気体におけるバルク、界面、表面など様々な系の取り扱いが可能
●得られる物性情報
•特定環境下における界面や表面などの安定構造
•液体やアモルファス材料など乱れた系における構造評価
•線膨張率など温度変化に対する応答評価 •応力など圧力変化に対する応答評価
•拡散係数、熱伝導係数、粘度係数などの輸送係数
•原子、分子スケールにおける構造の時間的変化(ダイナミクス)の可視化
●分子動力学計算の解析事例
•アモルファス酸化アルミニウムの構造解析
•ポリエチレンの伸長計算
•ポリプロピレンのガラス転移温度
•シリコンの固相成長
•脂質二重膜構造の透過性評価

ポリエチレンが引き延ばされる様子のシミュレーション(分子ごとに着色) 材料の機械的特性などの見積もりに有効です。