分子動力学計算によるカーボンナノチューブ(CNT)の機械的特性評価シミュレーション(C0728)
環境変化(圧力・温度)に対するナノ材料の変形挙動の解析が可能です
概要
カーボンナノチューブ(CNT)は軽量で優れた機械的特性(高強度・高弾性)を持ち、様々な用途・環境で使用されています。特に、CNTの変形挙動は柔軟性やエネルギー吸収特性に関連し、センサーやナノデバイス設計において重要です。本資料では、分子動力学計算を用いて単層CNTの曲げ-曲げ戻し変形をシミュレーションした事例を紹介します。シミュレーションによって、環境変化(圧力・温度)による構造変化を原子レベルで観察し、それに伴う歪みエネルギーの変化から変形挙動の解析が可能です。
データ
単層CNTの曲げ-曲げ戻し変形時の構造変化

歪みエネルギーと断面形状の変化
歪みエネルギーU = (変形後のポテンシャルエネルギー)-(初期構造のポテンシャルエネルギー)

【ヒステリシスに関する考察】
ナノチューブの壁同士が互いに引き合うファンデルワールス力によって、曲げた際に一度潰れた壁が元の形に戻りにくくなった。このため曲げ-曲げ戻しで変形挙動に違いが生じ、ヒステリシスが発生した。

MST技術資料No. | C0728 |
掲載日 | 2025/03/27 |
測定法・加工法 | 計算科学・AI・データ解析
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製品分野 | LSI・メモリ 燃料電池 ディスプレイ
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分析目的 | 形状評価 応力・歪み評価
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