量子化学計算によるリチウムイオン電池電解液成分の酸化還元耐性比較(C0717)
電解液中の溶媒・添加剤の分解されやすさ、分解生成物などを予想できます
概要
起電力の高いリチウムイオン電池(LIB)において、充放電過程における電解液の分解を抑えるような設計が重要です。酸化還元耐性の低い成分を添加することで、充放電過程における主溶媒の分解を抑制するとともに、良質なSEI(Solid Electrolyte Interphase)を形成することが可能です。シミュレーションより電解液成分の酸化還元耐性を評価することで、充放電サイクルにおける各成分の分解されやすさの指標を得ることができ、SEIの成分や特性の設計に繋げることが可能です。
データ
還元耐性の評価
量子化学計算により、下記化合物の電子親和力(EA)・イオン化ポテンシャル(IP)を算出しました。EAが大きいと中性状態から-1価に変化した時のエネルギー利得が大きく還元耐性が低く、IPが大きいと中性状態から+1価に変化する時の必要なエネルギーが大きく酸化耐性が高くなります。

還元耐性
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酸化耐性
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C0716_量子化学計算によるリチウムイオン電池電解液の還元耐性評価もご覧ください。
MST技術資料No. | C0717 |
掲載日 | 2024/08/01 |
測定法・加工法 | 計算科学・AI・データ解析
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製品分野 | 二次電池
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分析目的 | 化学結合状態評価 その他
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