MSDM(Mass Spectra Depth Mapping)について(B0221)
TOF-SIMS:飛行時間型二次イオン質量分析法
概要
TOF-SIMSの深さ方向分析では平面上の位置情報(x,y)を無視すると、各深さ(z)で質量スペクトルが存在するため、深さ・質量・スペクトル強度の3次元データが得られます。この3次元データを1枚の画像として可視化したものが、MSDM(Mass Spectra Depth Mapping)表示です。
詳細
まず、各深さの質量スペクトルを横軸を質量、縦軸をスペクトル強度として、強いピークを白、弱いピークを黒のモノクロバーで表示します。次に、各深さのモノクロバーを連結します。
図1は深さ3点の場合の例です。図1中★印で示した質量のスペクトル強度は深くなるほど減少しており、モノクロバーも深さ方向に対して白から黒へと徐々に変化していることがわかります。
図1で連結したイメージを90度回転し、実際の深さ方向へ各点を並べたものが、図2のMSDM表示です。
深さ・質量・ピーク強度を1枚の画像で表すことにより、各深さにおける各質量の強度の大小がイメージしやすくなります。
MSDM表示を利用することで、強度の強い成分の質量スペクトルを抽出する、あるいは、多くの質量が検出されている深さ領域に注目するなどの解析が可能です。
Electronic Journal別冊「2014 有機ELテクノロジー大全」投稿