撥水箇所の成分分析(C0686)
TOF-SIMSは複数成分の広域イメージング評価が可能です
概要
密着不良などの不具合の原因を探るためには、ウエハやデバイスの表面の知見を得ることは重要です。
今回、シリコンウエハ上に撥水箇所が確認されたため、TOF-SIMSで広域イメージングを実施しました。
その結果、撥水箇所からはシリコーンオイル、CF系グリース、パラフィンオイルと推定される成分が確認されました。TOF-SIMSは通常500μm角までの測定視野となりますが、ステージを動かしながら測定することで、広域の分布評価を行えます。
データ
TOF-SIMSにて、撥水箇所を10mm角にて測定しました(図1)。サンプルとシリコーンオイル、CF系グリース、パラフィンオイルの標準試料のマススペクトルと比較しました(図2)。マススペクトルパターンの比較により、サンプル表面にPDMS、CF系グリース、パラフィンオイルが混在してると推定しました。
図3に特徴的に検出されたイオンの分布を示します。各成分がそれぞれ異なる分布をしていることが確認できました。検出されたこれらの成分が最表面に付着すると撥水を示すことから、ウエハの撥水原因はこれらの残渣起因と推測されます。


MST技術資料No. | C0686 |
掲載日 | 2023/02/02 |
測定法・加工法 | [TOF-SIMS]飛行時間型二次イオン質量分析法
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製品分野 | LSI・メモリ パワーデバイス 光デバイス 電子部品 照明 ディスプレイ 製造装置・部品 酸化物半導体 高分子材料 日用品
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分析目的 | 組成分布評価 不純物評価・分布評価
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