セラミックスのぬれ性原因評価(C0705)
無機材料の親水・撥水箇所に特徴的な有機物の分析ができます
概要
セラミックスは日用品から電子部品まで幅広く利用されている無機化合物材料です。耐熱性・耐薬品性などの特徴を有しており、表面状態の評価をすることはセラミックスの機能を活かすために重要です。
本資料では、表面が撥水加工されているZr酸化物セラミックス材料において、撥水性低下の原因をTOF-SIMSを用いて評価した事例を紹介します。
データ
セラミックス表面のぬれ性の観察結果
セラミックス表面に水を垂らし、横から見た外観を図1に示します。
水滴が広がっている親水箇所(左)と、水滴が弾かれている撥水箇所(右)が確認できます。
セラミックス表面の定性結果
親水箇所と撥水箇所の定性結果を図2に示します。
親水箇所では母材のZr酸化物が検出されていることから、表面のフッ素系オイルが剥がれ、高級脂肪酸が付着したことで撥水性が低下したと推察されます。