セラミックスの変色原因評価(C0703)
TOF-SIMSでは無機材料の変色原因のイメージングが可能
概要
セラミックスは日用品から電子部品まで幅広く利用されている無機化合物材料です。不純物や付着物により生じるセラミックスの変色評価には、着目箇所について有機物・無機物を問わず微量成分のイメージング分析が可能なTOF-SIMS分析が有効です。
本資料ではAl酸化物のセラミックス変色部分をTOF-SIMSで分析し、イオンイメージとラインプロファイルで変色原因を示した事例を紹介します。
データ
評価サンプル
変色部分を含む箇所(図1)をTOF-SIMSで500μm角にて測定しました。
測定によって得られたイオンイメージとラインプロファイルをそれぞれ図2、図3に示します。
イオンイメージ
母材のAlと変色部で特徴的に検出されたMnとFeのイオンイメージを示します。
Alは測定エリア内で均一に検出されています。
一方で、MnとFeは変色部で強く検出されています。
ラインプロファイル
図1に示した矢印の方向にライン分析を行い、MnおよびFeの二次イオン強度をAlで規格化したラインプロファイルを示します。測定箇所左側の変色部とMn, Feの分布が対応することが分かります。