熱履歴を考慮した異物の成分同定(C0200)
熱履歴を揃えた標準試料の活用提案
概要
ポリプロピレン(PP)などの高分子材料は、大気中で加熱されると大気中の酸素や水分と反応し、分子構造が変化します。そのため、異物や付着物が高分子材料の可能性がある場合、測定サンプルと同じ環境で処理した標準物質を比較データとして用いる必要があります。
熱処理(200℃/30分)によってPP標準物質がどのように変化するかを調べるため、FT-IR及びTOFSIMS測定を行いました。
データ
示差走査熱量分析(DSC)の結果より、PPの融点が164℃付近で確認されました。
大気中で熱処理をすることで、O-H,C=O,C-O結合が生成し、PPとは異なる物質となっています。
測定サンプルと標準物質の熱履歴を揃えることで異物の成分を同定し、不良原因を解明します。