リアルタイムPCR法による細菌数の評価(C0737)

サンプル中の細菌について、単離・培養せず、DNAから分析します

概要

食品の細菌検査等で実施される菌数の測定は、培養してコロニー数をカウントすることで算出しますが、この方法では培養に時間を要し、また、難培養性の菌では評価ができません。一方、リアルタイムPCR法では、培養せずにサンプルから直接DNAを抽出することで、目的の菌の存在量(DNAコピー数)を調べることができます。本資料では、培養が容易な大腸菌を用いて、培養してカウントした菌数と、リアルタイムPCR法で測定したコピー数を比較した事例を紹介します。

測定例

大腸菌培養液を段階希釈してコロニー数カウントを行い、菌数を算出しました。それと同時に、大腸菌培養液それぞれからDNA抽出を行い、リアルタイムPCR法にてふたつのターゲット遺伝子(※)の測定を行い、結果を比較しました。

大腸菌培養液
平板培養,DNA抽出

※測定したターゲット遺伝子
uidA: シングルコピー遺伝子→ひとつの細胞にひとつの領域
・16S rRNA: 複数コピー遺伝子→ひとつの細胞にふたつ以上の領域
大腸菌では7コピーとされている


測定例 16S rRNA コピー数(copies/mL)を7で割ったもの
uidA コピー数(copies/mL)
菌数(コロニー/mL)
左のグラフにおいて、菌数()と比べ、16S rRNA コピー数/7()とuidA コピー数()のどちらも1オーダー以上のずれは見られませんでした。
これらの結果より、コピー数から菌数を推測できると考えられます。
point環境中などの培養困難な菌でも、存在量を評価することが可能です。

MST技術資料No.C0737
掲載日2025/06/19
測定法・加工法その他
製品分野バイオテクノロジ
医薬品
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食品
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分析目的その他

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