ヒアルロン酸の分子量分布の評価(C0729)
電気泳動でヒアルロン酸の分子量分布が評価できます
概要
ヒアルロン酸は、化粧品やサプリメントなどで幅広く使用される高分子化合物です。分子量により組織への浸透性などの特性が異なり、高分子ヒアルロン酸に加えて、低分子ヒアルロン酸の需要も高まっています。多糖類やDNA、タンパク質等の分析に用いる電気泳動法では、分子量既知のヒアルロン酸分子量マーカーを用いることで、ヒアルロン酸の分子量分布を可視化して評価出来ます。ここでは、高分子のヒアルロン酸を様々な方法で低分子化し、その分子量分布を評価した分析事例を紹介します。
データ
評価に用いたヒアルロン酸と分析データ
高分子ヒアルロン酸に対して、①酸化分解、②超音波、③酵素による低分子化を試みました。異なる3条件で処理したヒアルロン酸をアガロースゲルで電気泳動した結果を下図に示します。

①では、酸化分解に用いた薬剤の添加量に応じて低分子化が進行していることが分かりました。②超音波処理ではわずかな低分子化を、③酵素処理では顕著な低分子化を確認しました。また、可視化した分子量分布から、下表のような数値での報告も可能です。
酸化分解処理
(ppm) |
分子量分布
(kDa) |
0 |
60~2000 |
100 |
40~550 |
◆分子量分布測定の他手法:GPCは技術資料B0239を参照
MST技術資料No. | C0729 |
掲載日 | 2025/04/03 |
測定法・加工法 | その他
|
製品分野 | 化粧品 食品
|
分析目的 | 組成評価・同定 製品調査
|