低温フォトルミネッセンス測定の注意事項(B0208)
PL:フォトルミネッセンス法
概要
- フォトルミネッセンス測定(PL測定)は室温の他に、クライオスタット内に試料を設置し、低温で実施することも可能です。低温測定は室温測定に比べピーク強度の増大やピーク半値幅が減少する傾向が見られるため、様々な準位についての知見を得られる可能性があります。
- 以下、低温測定の注意事項や、室温測定と低温測定のスペクトル形状差について説明します。
仕様
温度範囲
約10K(試料台温度)~500Kの範囲で任意温度に設定可能。
※JIS H0615 「フォトルミネッセンスによるシリコン結晶中の不純物濃度測定方法」には対応しておりません。
試料サイズ
推奨:2mm角~5mm角程度 最大:10mm角程度
※最大サイズよりも大きい試料は割断が必要となります。
また、粉末も測定可能です。
ただし、クライオスタット内は高真空となりますので、飛散する試料や溶液は測定不可となります。
空間分解能
数十μm程度
※現在、マッピング測定はお引き受けしておりません。
低温PL測定のスペクトルについて
低温PL測定では、熱による影響が室温に比べて非常に小さくなることから、室温での測定に比べて一般にピーク強度の増大や半値幅の減少が起こります。そのため、室温では観測されにくい励起子が関与する発光や、ドナー・アクセプターペア発光、不純物準位、欠陥準位が関連する発光等がより観測されやすくなります。シリコン(Si)を室温と低温で測定したスペクトルを以下に示します。
MST技術資料No. | B0208 |
掲載日 | 2015/05/14 |
測定法・加工法 | [PL]フォトルミネッセンス法
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製品分野 | LSI・メモリ パワーデバイス 光デバイス 太陽電池 照明 ディスプレイ
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分析目的 | 構造評価
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