低温顕微PL分析によるSi系IGBTチップ断面の評価(C0485)
断面方向からライフタイムキラーの影響を確認することが可能です
概要
IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)はパワー半導体モジュールとして、家電用品から産業機器まで様々な製品に使用されています。
IGBTは特性改善のためにライフタイム制御が行われていますが、この制御はドリフト層に欠陥(ライフタイムキラー)を作成することによって行われています。断面からの低温顕微PL分析を行うことによって、ライフタイムキラーに関する知見を得ることが可能です。
データ
サンプル
任意の箇所で断面を作成したIGBTチップ。断面の中央付近を測定しました。
図1 IGBTチップ断面構造図と測定箇所
分析結果
図2 PLスペクトル
- 断面中央付近では照射欠陥等に起因するピーク(I3-line,W-line等) が観測されました。
中央付近はライフタイムキラーの影響を受けていると考えられます。
- 本試料は格子間炭素が関与するピーク(G-line, C-line)は確認されませんでした。
熱処理等により格子間炭素が消失している可能性が示唆されます。
- トレンチ近傍等ご指定位置での測定も対応可能です。お気軽にご相談ください。
MST技術資料No. | C0485 |
掲載日 | 2020/05/06 |
測定法・加工法 | [PL]フォトルミネッセンス法
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製品分野 | LSI・メモリ パワーデバイス 電子部品
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分析目的 | 構造評価 故障解析・不良解析 製品調査
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