ウエハ表面の金属・有機物汚染評価(C0503)
複数手法の分析結果より、複合的に評価
概要
製造装置や部品に付着した異物は、製造品の不良や装置動作の不具合などに影響する場合があります。
異物を適切に分析・評価することで発生原因を究明し、不具合を改善することができます。本資料では、Siウエハ表面に付着した汚染をICP-MSとSWA-GC/MS※で複合的に分析した事例をご紹介します。
※SWA(シリコンウエハアナライザー)-GC/MSとは、ウエハごと電気炉で加熱して有機物をガス化し、GC/MSで測定する手法です。
データ
Siウエハ表面に微量の汚染(金属、有機物の両方)が疑われました。
何に由来するものかを調べるため、ICP-MSで金属元素を定量し、SWA-GC/MSで有機物を同定しました。
サンプル概要
表面に汚染(金属,有機物)が付着したSiウエハ
ICP-MS分析結果
Fe,Cr,Ni,Moの合計を100wt%として換算すると、Fe:Cr:Ni:Mo=74wt%:15wt%: 9wt%: 2wt%となり、汚染金属にSUS316が含まれていることが分かりました。
SWA-GC/MS分析
パルミチン酸が強く検出されたことから、可塑剤が存在すると考えられます。
ICP-MSでZnが高濃度検出されていたことも考慮すると、パルミチン酸はゴム手袋の成分に由来することが示唆されました。