SiC基板表面および内部の不純物濃度測定(C0698)
ICP-MS, GDMSにより基板表面と内部とを切り分けて分析
概要
半導体材料に含まれる不純物は、リーク電流の発生やデバイスの早期故障等、製品の品質に影響する場合があります。従って、材料に含まれる不純物量を把握することは、製品の品質向上において重要です。本資料では、パワーデバイス材料として注目されているSiC基板について、基板表面に付着した不純物をICP-MS、基板中の不純物をGDMSで分析した事例をご紹介します。
データ
サンプル概要
SiC基板(30mm×30mm×1mm)
SiC基板表面の不純物分析(ICP-MS)
片面全面の自然酸化膜を溶解し測定した結果から、基板表面に付着した不純物量を算出しました。
*自然酸化膜を2nmと仮定しました。
*ICP-MSの定量精度は±20%となります。
SiC基板中の不純物分析(GDMS)
基板上の8mmφの領域を測定した結果から、基板中に含まれる不純物量を算出しました。
分析値は主成分であるSiとCの合計を分母とした場合の相対感度係数を用いた換算濃度です。
*濃度は基板中において均一であると仮定しました。
*最表面の情報は含んでいません。
*GDMSの定量精度は桁が変わらない程度となります。
〇不純物(特にNa・Mg・K・Ca)は基板中に比べ基板表面に多く含まれていることが分かります。
〇Al・Ti・Cr・Fe・Zrは、基板表面・基板中ともに高濃度であることが分かります。