超低温プローブによる高感度NMR分析(B0290)

微量成分のNMR分析が可能です

概要

核磁気共鳴分光法(NMR)は、有機物をはじめとした様々な化合物を対象として、分子構造や分子間相互作用、分子の運動性などの多様な情報を得ることができる分析手法です。本資料では超低温プローブを用いることで、汎用的な室温プローブに比べてより高感度な測定を行った事例を紹介します。

超低温プローブの特徴

図1 : 超低温プローブの構造(模式図)

プローブは、NMR分析においてラジオ波の照射やNMR信号の検出を行う箇所です。超低温プローブでは、プローブ内を循環する液体ヘリウムにより検出コイルやアンプなどの検出回路が極低温まで冷却されます(試料は冷却されません)。プローブの冷却により、コイルの感度が高まると同時に、検出部における熱ノイズが減少し、汎用的な室温プローブに比べてNMR信号におけるS/N比(信号-雑音比) が大きく向上します。
天然物等の微量成分を対象とした構造解析や低感度な核種の測定に有効です。

分析事例

クチナシの果実などに含まれる配糖体ゲニポシドを試料として、室温プローブ・超低温プローブそれぞれを用いて同一条件で¹³C-NMR測定を行い、スペクトルを比較しました。

図2 : ゲニポシドの構造式

超低温プローブを用いることで、室温プローブに比べてS/N比が約3倍になっており、ピークとノイズの区別がより明確になっています。このように、超低温プローブの使用により、従来の室温プローブよりも高感度に測定することができます。

図3 : ゲニポシドの¹³C-NMRスペクトル

MST技術資料No.B0290
掲載日2023/04/06
測定法・加工法[NMR]核磁気共鳴分析
製品分野二次電池
燃料電池
ディスプレイ
高分子材料
バイオテクノロジ
医薬品
化粧品
日用品
食品
環境
分析目的組成評価・同定
化学結合状態評価
構造評価
安全性試験
不純物評価・分布評価

関連する分析事例

イメージ 掲載日 タイトル 測定法・加工法 製品分野 分析目的
超低温プローブによる高感度NMR分析 2023/04/06 超低温プローブによる高感度NMR分析(B0290) [NMR]核磁気共鳴分析
二次電池
燃料電池
ディスプレイ
高分子材料
バイオテクノロジ
医薬品
化粧品
日用品
食品
環境
組成評価・同定
化学結合状態評価
構造評価
安全性試験
不純物評価・分布評価
STD-NMRによる生体分子間相互作用の解析 2023/03/16 STD-NMRによる生体分子間相互作用の解析(C0691) [NMR]核磁気共鳴分析
バイオテクノロジ
医薬品
化粧品
食品
化学結合状態評価
その他
量子化学計算による有機分子のスピン結合定数の解析 2022/11/17 量子化学計算による有機分子のスピン結合定数の解析(C0677) [NMR]核磁気共鳴分析
計算科学・AI・データ解析
医薬品
化学結合状態評価
構造評価
NMR(核磁気共鳴分析)-混合試料のスペクトル分離 DOSY法- 2022/05/05 NMR(核磁気共鳴分析)-混合試料のスペクトル分離 DOSY法-(B0282) [NMR]核磁気共鳴分析
ディスプレイ
高分子材料
バイオテクノロジ
医薬品
化粧品
食品
化学結合状態評価
構造評価
NMR(核磁気共鳴分析)-混合試料のスペクトル分離 フィルターの利用- 2022/05/05 NMR(核磁気共鳴分析)-混合試料のスペクトル分離 フィルターの利用-(B0281) [NMR]核磁気共鳴分析
ディスプレイ
高分子材料
バイオテクノロジ
医薬品
化粧品
食品
化学結合状態評価
構造評価
NMR(核磁気共鳴分析)の紹介ー31P核を用いた定量分析ー 2022/01/27 NMR(核磁気共鳴分析)の紹介ー31P核を用いた定量分析ー(B0278) [NMR]核磁気共鳴分析
高分子材料
医薬品
化粧品
環境
組成評価・同定
構造評価
劣化調査・信頼性評価
NMR(核磁気共鳴分析)による構造解析ー軽溶媒そのままの測定ー 2022/01/13 NMR(核磁気共鳴分析)による構造解析ー軽溶媒そのままの測定ー(B0276) [NMR]核磁気共鳴分析
照明
ディスプレイ
高分子材料
バイオテクノロジ
医薬品
化粧品
日用品
食品
構造評価
劣化調査・信頼性評価
製品調査
量子化学計算による有機分子のNMR化学シフトシミュレーション 2021/07/29 量子化学計算による有機分子のNMR化学シフトシミュレーション(C0654) [NMR]核磁気共鳴分析
計算科学・AI・データ解析
その他
医薬品
化粧品
日用品
食品
化学結合状態評価
構造評価

分析のご相談・お申し込み

知識豊富な営業担当が、最適な分析プランをご提案。
分析費用のお見積りもお気軽にお問い合わせください。
相談・お申し込みは、専用のフォームかお電話でどうぞ。

webからのお問い合わせはこちら

分析お問い合わせフォーム

お電話からのお問い合わせはこちら

ページトップへ