SNP解析の概要と特徴(B0298)
リアルタイムPCR法とマスアレイ法の違いについて
概要
SNP(Single Nucleotide Polymorphism:一塩基多型)は、DNAの配列において、個体間で一塩基異なっている部分を指します。SNPによって体質などに異なる特徴が生じるとされており、薬剤応答性にも関係することがわかってきていることから、SNP解析はオーダーメイド医療への応用が期待されています。
本資料では、SNP解析法の中でもリアルタイムPCR法とマスアレイ法の特徴を紹介します。調べたいSNP箇所やSNP数、出現頻度などに合わせて手法を使い分けることが有効です。
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リアルタイムPCR法 |
マスアレイ法 |
検出方法 |
プローブ法による蛍光検出 |
MALDI-TOF-MSによる質量分析 |
検出数/1測定 |
SNP箇所 |
1か所 |
最大40か所 |
サンプル数 |
最大94*1 |
最大190*1 |
特徴 |
• SNP箇所ごとのプローブが必要
• 2つの対立遺伝子に対して3つの型に分類*2 |
• 解析ツールのデザインが必要(一部デザイン済み解析ツール有)
• 対立遺伝子が3つ以上ある場合でも1回の測定で解析可能 |
適用 |
SNP数が少ない場合に最適
(低コスト、短納期) |
遺伝子検査サービスなど、多数のSNP箇所を調べる場合に最適 |
*1 MST所有の装置にて測定する場合のサンプル数です。
*2 測定の結果、3つの型に分類されなかった場合は、出現頻度に基づいて塩基を推定します。事前にポジティブコントロールを作成することで、確実に分類することも可能です。
測定例
<リアルタイムPCR法>
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<マスアレイ法>
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SNPに特異的なプローブを用いて、2つの対立遺伝子の増幅をもとに分類し、SNPタイピングを行います。 |
SNP一塩基分の質量差を生じさせたDNA断片に対して質量分析を行い、スペクトルをもとに塩基を決定します |

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図1「C」と「T」のプロット図
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図2 複数のSNPを検出したスペクトルデータと拡大図
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MST技術資料No. | B0298 |
掲載日 | 2024/03/28 |
測定法・加工法 | その他
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製品分野 | バイオテクノロジ 医薬品 化粧品 食品 環境
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分析目的 | その他
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