GC/MS・TOF-SIMSによる粘着シートの電子部品汚染評価(C0501)
有機汚染の定性・定量・分布を複数手法の組み合わせで評価
概要
半導体デバイスの製造工程では、ダイシング用テープなど様々な粘着シートが使用されます。粘着シートは異物・汚染の原因となることがあります。そこで、本事例ではTOF-SIMS・SWA-GC/MSを用いて複合的に評価した結果をご紹介します。TOF-SIMSでは、粘着シート各材料の定性を行うことで、異物・汚染がどの粘着シートに起因するのか、また粘着シートのどの層に起因するのか同定が可能です。またSWA-GC/MSでは、どの粘着シートがもっとも汚染が少ないかを定量的に確認することができます。
データ
TOF-SIMS 表面汚染評価
ウエハ表面の粘着成分の定性及び付着状況がわかります。
図1 粘着シートAの付着結果(500μm角)
TOF-SIMS 粘着シート成分評価
異物は、粘着層のみでなく、基材の場合もあります。層構造をみることで異物原因がもれなくわかります。
図2 粘着シートAの深さ方向分析
TOF-SIMS 異物評価
異物原因が何か同定できます。
表1 異物評価のまとめ例
SWA-GC/MS 表面汚染評価
ウエハ表面有機物定性、定量することで、どの粘着シートが最も汚染が少ないかがわかります。
図3 粘着シートAの付着結果
ヘキサデカン換算定量値
- 有機汚染量:37ng/cm2
- DOP汚染量:7ng/cm2