被毛表面の成分評価(C0742)
動物の毛(被毛)の表面分析により表面状態の数値化が可能です
概要
人の毛(毛髪)の表面は18-メチルエイコサン酸(18-MEA)と呼ばれる脂質で覆われています。
動物の毛(被毛)表面は18-MEAに限らず、皮脂腺から分泌された様々な脂質が存在していると考えられています。加えて、皮膚疾患を有する動物の皮脂では、リノール酸の低下が報告されています。
上記より、代表的な脂質の18-MEAとその他複数の成分を同時に分析することは、毛の状態を把握する上で有用です。ここでは動物(ペット)ごとに脂質の違いをTOF-SIMSにて評価した結果をご紹介します。
データ
方法
各ペットの被毛を3本取りTOF-SIMSにて被毛表面を測定しました。
測定結果
測定結果を下図に示します。
縦軸は3本の被毛を測定し、得られたイオン強度を平均した値を示します。
サンプル間でマトリックス(母材)が同じである場合は、イオン強度の相対比較が可能です。
ペットによって18-MEA・脂肪酸のイオン強度に差が見られました。
猫の被毛表面は他の動物と比べて、18-MEAが少なく脂肪酸が多い傾向が確認されました。
本分析の適用例
ペット用シャンプーの被毛への効果、餌の種類と被毛の関係性を評価。