真空装置内の汚染分析(C0741)
オイルバックやグリースなど真空装置内の汚染原因を評価可能
概要
空間内の気体分子密度が低いという特徴を利用した真空装置は、電子部品の製造工程における薄膜形成や表面分析など様々な用途で使用されます。真空装置のチャンバーは閉ざされた空間のため、微量の分子の存在が装置内の汚染を引き起こしやすく、汚染を抑制するために、ポンプ・装置・試料など汚染源を特定する調査が必要です。
本資料では、真空装置内の汚染についてTOF-SIMSで調査した事例を紹介します。
データ
測定サンプル
真空装置内の汚染を調査するため真空装置内導入前後のSiウエハをTOF-SIMSで分析しました。
図1 測定サンプルのイメージ図
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●:①ポンプ由来(オイルバック)
●:②装置由来(グリースなど)
●:③過去に導入した試料由来 |
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結果
測定の結果、真空装置使用後のSiウエハからフッ素系(▼)のピークが特徴的に検出されました。真空装置で使用しているフッ素系グリース標品のスペクトルと類似していたことから、上記①~③のうち、②装置由来の汚染が真空装置内で発生していると推定されます。
図2 負イオンの定性スペクトル