クリーンルーム内有機化合物の評価方法(B0245)
GC/MS:ガスクロマトグラフィー質量分析法
概要
半導体や液晶などの製造が行われているクリーンルームでは、パーティクルだけでなく分子レベルの化学汚染(分子状汚染)を把握することが重要です。浮遊分子状汚染物質としては酸・塩基性ガスや凝集性有機物質、ドーパント、金属などが挙げられ、成分に応じて分析方法は異なります。
ここでは凝集性有機物質の詳細と、代表的な捕集方法である“吸着剤捕集”と“ウエハ暴露捕集”について紹介します。
捕集方法
浮遊分子状汚染物質の詳細
吸着剤捕集(TENAXや活性炭など)
吸引ポンプと吸着剤で有機成分を濃縮捕集する方法
揮発性成分と半揮発性成分を捕集できるTENAX等を使用します。
特徴
- 空気中のVOCとSVOCを捕集できる。
- 流量などを調整することで、回収にかける時間や採取ガス量を調整できる。
- 着目成分のガス中濃度を算出できる。
- 着目成分によって吸着剤を選択することで効率的に捕集できる。
ウエハ暴露捕集
室内に設置した清浄なウエハに、有機物を吸着させて捕集する方法
Siウエハは、ウエハアナライザーで分析します。その他の基板やフォトマスクも対応可能です。
特徴
- 吸着剤捕集と異なり、シロキサンなどウエハに吸着しやすいものを回収できる。
- 一日や一週間、一ヶ月など長期的で直接的なウエハへの影響を評価できる。
- GC/MSによりウエハ全体の汚染度合いを定量的に評価できる(ヘキサデカン換算)。
- 目視で確認できるような汚染の場合はTOF-SIMSで局所分析ができる。