酸化ガリウムGa2O3イオン注入ダメージ層の評価(C0718)
イオン注入後のアニール条件の違いによる差異を確認
概要
酸化ガリウムGa2O3は、SiCやGaNよりもバンドギャップが広く、優れた物性を有することから、高効率・低コストが期待できるパワーデバイス材料として注目を集めています。デバイスの開発には、特性を左右する不純物濃度や結晶性の制御が重要です。本資料では、イオン注入による結晶構造の乱れから生じるダメージ層及び表面粗さの変化を、アニール条件毎に観察した結果を示します。
データ
注入前及びアニール処理前後の結晶性(断面TEM像)と表面ラフネス(AFM)の変化の結果を示します。イオン注入後アニール無しの試料では、ダメージ層の存在が明確に見えます。900℃のアニール処理では、ダメージ層の一部が、再結晶化していることが分かります。1100℃のアニール処理では、更に再結晶化が進みますが、応力により表面での異常成長が観察されます。これに起因して表面のラフネスも大きくなっていることが確認できます。