シリコン結晶中の不純物拡散シミュレーション(C0581)
シミュレーションによって拡散の経路・障壁を求めることが可能です
概要
半導体の電気的、光学的、磁気的特性は系に含まれる欠陥や不純物による影響を強く受けるため、
設計通りの物性を得るためには欠陥や不純物の挙動を理解し、制御する必要があります。しかしながら、原子レベルのミクロな挙動を実験的な手法から評価するのは難しいため、計算シミュレーションを用いたアプローチが有効となります。本資料ではNEB(Nudged elastic band)法を用いた第一原理計算によって、シリコン結晶中の金属不純物(Fe)について、拡散の経路・障壁を評価した事例を紹介します。
データ
■NEB (Nudged elastic band)法
NEB法は反応の「初期構造」と「最終構造」の入力データから「中間構造」として連続的な原子座標の変化を与えて、各中間構造での原子座標を最適化することにより、反応経路におけるエネルギー推移を求める手法です。
■シリコン結晶中Feの拡散シミュレーション
シリコン結晶中におけるFeの拡散経路をNEB法を用いて求めました。Feがシリコン結晶中をTサイト→ Hサイト→ Tサイト→・・・の順に移動して拡散する様子が確認できました。
■拡散障壁の見積もり
経路内の最大エネルギーと最小エネルギーの差が拡散障壁となります。見積もられた拡散障壁は実験値[1]と良く一致することが分かります。
MST技術資料No. | C0581 |
掲載日 | 2020/01/23 |
測定法・加工法 | 計算科学・AI・データ解析
|
製品分野 | LSI・メモリ
|
分析目的 | 構造評価
|